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  • 2023年2月2日

NSCAにも出てくるバイオメカニクスを分かりやすく解説

大金 聡

大金 聡

 

 

こんにちは!
Dr.トレーニングスクール東京校講師の大金です!

今回はトレーナーとして成功するために学ぶべき学問に欠かすことができない「バイオメカニクス」について分かりやすく解説をしていきます!

 

バイオメカニクスとは

バイオメカニクスとは生体力学という学問になります。

より分かりやすく説明をすると、生体、私たちの身体にかかる力、主には重力がどのように働いていてそれに対してどのような力を発生させることで目的の動きを行っていくかを研究する学問です。

私たちは地球に生活しており、それは常に重力がかかっている環境で生活をしています。

そのため、あらゆる日常動作やスポーツ動作などでより効率よく身体を動かしていくためにバイオメカニクスは役立っていくのです。

 

パーソナルトレーナーであれば、アスリートではない一般のクライアントを見ていくことが多くなります。

その際に、多い悩みとして腰痛です。

 

腰痛の原因

腰痛の原因は様々ありますが、1つの要因として挙げられるのがデスクワークなどにより座ったまま同じ姿勢でいることです。

ではなぜ座ったまま同じ姿勢でいることが腰痛の原因になるか説明できますか?

 

こういったことを説明できるようになるためにはバイオメカニクスの知識が必要になっていきます。

 

実際には、座位(座っている姿勢)は立位(立っている姿勢)よりも椎間板(腰にあるクッションの役割を持つ組織)への負荷が高くなります。

これは、身体は本来背骨がカーブを描くことにより負荷を軽減しているのですが、座っていると少しずつ姿勢が悪くなり、いわゆる猫背の姿勢になってしまうとそれだけで腰への負担が増えてしまい、腰痛になりやすくなってしまいます。

 

そのため、姿勢を保持する筋肉を鍛えたり、姿勢を指導していくわけですが、前提として正しい姿勢を知らなければ適切な指導ができなくなってしまいます。

 

スポーツにおいてのバイオメカニクス

またアスリートを見ていく際にもバイオメカニクスはとても大切になっていきます。

スポーツでは、基本的には一番の記録を出していくことが目標になります。

そのためには、出来るだけ早く走る・高く跳ぶ・遠くに投げるといったことが基本的に求められます。

 

ではその時に選手がなぜ早く走ることができるのかを理論的に説明する際に必要になってくるのがバイオメカニクスなのです。

 

走行運動について

少しだけ走行運動(ランニング)を説明していきます。

走行は歩行と似ているように見えて実は全くメカニズムが異なる運動になります。

よくバネモデルといい、ボールが弾むことにも例えられます。

バネの働きをしているのは筋や腱であり、足が地面に触れた時のエネルギーをバネである筋や腱に蓄えます。

そして、前方へと移動する時のこのエネルギーを再利用することがわかっています。

 

歩行では両足が地面につくが、走行では一種のジャンプ運動となり地面についた際に強い衝撃力をうけます。

その衝撃力は比較的遅いジョギングだとしても、体重の2〜3倍になるため、筋や腱がその衝撃に耐えられるようなトレーニングを行っていく必要があるのです。

 

このように各関節や筋肉、力の向きなどがどのようになっているか運動ごとにどのようになっているかを理解することでそのために必要なトレーニングを行っていくことにつながっていくのです。

 

またバイオメカニクスを学んでいくことにより、アスリートから一般のクライアントの身体の使い方を正していくことが出来ます。

それにより、リハビリ・傷害予防・パフォーマンスアップなど様々な目的への応用が可能になっていきます。

 

野球でのバイオメカニクスの応用

野球の投手をイメージしてみてください。

速いボールを投げることができる投手とフォームが綺麗だけれどそれほど速いボールは投げることができない投手がいたとします。

どちらの投手がより打者から空振りを取ることができるでしょうか?

 

もちろん、投手が投げるボールには回転数・スピード・投球角度・回転軸など様々な要素がありますがスピードが速いボールが空振りを取ることができるとすれば、速いボールを投げることができる投手がこの場合は優れているということになります。

 

ではなぜこの投手が速いボールを投げることができるのかを考えることがバイオメカニクスの分野になっていくのです。

 

その中の1つの要素に反力というものがあります。

作用・反作用の法則

これは物理法則の1つである「作用・反作用の法則」に基づく考えで、ある物体に力を加えると、同じ力で押し返されるというものです。

 

投手はよく下半身を使えと言われますが、これは下半身で地面をしっかりと押すことで、地面から来る「床反力」を上手く回旋のエネルギーへと変換させていくことを指しています。

 

そうすると、トレーニングとして床反力を高めるようなエクササイズを取り入れることで球速アップにつながる可能性があると考えることができます。

 

もう少し日常の中での動きでバイオメカニクスを身近に感じてみましょう。

スーパーで買い物をして買い物袋を持っているとすると、どのように持つでしょうか?

肘をまっすぐ伸ばし肩の真下に袋が来るように持つはずです。

腕をピンと横に伸ばした状態で袋を持つ人はいないでしょう。

ここにもバイオメカニクスが隠されています。

キーワードは「モーメントアーム」

 

モーメントアーム

モーメントアームとは使いたい筋肉と重りとの距離のことで、今の例で説明すると使う筋肉は肩の筋肉で「三角筋」、重りの位置は腕の先になります。

この長さが長くなればなるほど同じ重さを持っていたとしても、肩にかかる負担は大きくなるのです。

そのため、自然とモーメントアームを短くして、身体にかかる負担を減らすようにしているのです。

 

しかし、逆に肩のトレーニングをしたい場合にはどうでしょうか?

 

肩のトレーニングの王道といえば、サイドレイズがありますが、肘の角度を曲げるとモーメントアームが短くなるため肩への負荷が小さくなってしまいます。

 

最大限、肩への負荷を高めていきたいのであれば、肘を完全に伸ばしたままの状態で行うことが必要になります。

 

このように負担と負荷という考え方をするとモーメントアームを短くした方がいいのか、それとも長くした方がいいのかというのが目的によって変わってくることがわかると思います。

 

これも身近にあるモーメントアームの一例になります。

 

おすすめの本

基礎運動学

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今までバイオメカニクスを学んだことがない人でも、理解しやすいように生体の構造にも触れつつ、基礎を網羅することができます。

それでいて記載されている内容は学術的で専門性が高い内容になっているため、基礎から応用を学びたい方におすすめの一冊になっています。

 

バイオメカニクスには数学や物理学の知識も必要なりますが、そう言った部分も丁寧に記述がされており、基礎的な運動パターンである姿勢・歩行・走行といったところが収録されているため、初めましてのかたにもおすすめです。

 

まとめ

人の身体を効率よく動かしていくために研究されてきたのがバイオメカニクスになります。

運動を指導するもしくは実践するのであれば欠かすことができない分野になることは間違いありません。

 

そのため、Dr.トレーニングではバイオメカニクスに基づいたエクササイズの指導をすることはもちろん、他分野との融合も行えるようにカリキュラムが組まれています。

少しでも興味がある方は一度連絡して頂ければと思います。

ご連絡はこちらから

 

健康増進・筋肥大・ボディメイク・パフォーマンスアップなど全ての目的でバイオメカニクスを使うことができクライアントの満足度を高めていくことは間違い無いです。

ぜひより上のトレーナーを目指し学びを深めていきましょう。

 

 

名前

大金聡

 

【取得資格】

NSCA-CSCS

この記事を書いたスクールメンバー

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