皆さん、こんにちは!
Dr.トレーニングスクール講師の千葉です!
今回は、NSCA-CPT第9章「クライアントの面談と健康評価」について学んでいきます!
パーソナルトレーニングではクライアントとトレーニングを始める前に、目標の設定や既往歴の確認が非常に重要になります。
クライアントとのニーズの不一致やトレーニング中の怪我のリスクを最小限にするためにも、9章でしっかり学んでいきましょう!
9章の大まかな内容とパーソナルトレーナーとして勉強するメリット
9章では以下のことを学ぶことができます。
・面談と健康評価の目的
・健康評価スクリーニング
・冠状動脈の危険因子、疾患及び生活習慣の評価
・医師への照会手続き
メリット①トレーナーとクライアントの適合性の評価ができる
パーソナルトレーニングでは初回の面談が非常に重要になります。初回の面談で適合性の評価や目標の話し合いをします。
適合性の評価では、お客様の求めているものとトレーナーが提供しているものが一致するかどうかを評価します。
例えば、膝の術後でダイエットをしたいというお客様が来た場合、トレーナーがリハビリに関する知識がない場合は、他の専門家を頼る必要があるかもしれません。
このようにお客様の求めているものとトレーナーの専門分野が一致するかどうかを確認するためにも、初回の面談が重要となります。
そして、適合性が一致した場合、次の手順は目標について話し合うことになります。
ここでの話し合いによって、お客様の動機や求めている理想の姿を把握し、目標設定をすることができるようになります。
メリット②トレーニングでのリスクを把握し最小限にすることができる
お客様の中には持病を抱えていたり冠状動脈疾患の危険因子を有している方がいます。
健康評価スクリーニングでは、既往歴や冠状動脈疾患の危険因子を把握し、医師への照会が必要な人を識別します。
これらを把握することで、エクサイズ中のリスクを抑えることができ、エクササイズ中に何か起きた場合に適切に対処することができます。
NSCA-CPT9章の詳細
冠状動脈疾患の危険因子、疾患及び生活習慣の評価
今回は、9章の中でも「冠状動脈疾患の危険因子」について詳しく解説していきます!
冠状動脈疾患とは、動脈硬化が原因で血管壁に脂肪や血小板などが沈着し、心臓に血液が供給できなくなることで起こる病気のことです。
運動でこれらの過程を予防する効果があることがわかっています。
しかし、なかには運動によって大きな負担がかかり冠状動脈疾患を誘発させてしまう危険因子を持っている人たちもいます。
危険因子は以下の7つです
・家族歴
・喫煙
・高血圧
・脂質異常症
・空腹時血糖
・肥満
・座業を中心とした生活
○家族歴
冠状動脈疾患は、遺伝的要因や家系的な要因が関係していると言われています。
特に以下の場合は危険因子を有していることになります。
父・男性の一親等血縁者で55歳以前、母・女性の一親等血縁者で65歳以前に心筋梗塞、冠状動脈血管再生術、突然死を起こしている場合。
○喫煙歴
喫煙は冠状動脈疾患の主要な危険因子になります。
現在タバコを吸っている人、または以前吸っていてやめてから6ヶ月以内の人は、冠状動脈疾患の潜在的な危険性がより高くなります。
○高血圧
高血圧は、収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上が基準になります。
高血圧では血管壁にストレスがかかり、末梢抵抗が増すため、心臓の仕事量が増加します。血圧が高ければ高いほど冠状動脈疾患の危険性は高まります。
○脂質異常症
脂質異常症とは、LDLコレステロールや中性脂肪が必要以上に多かったり、HDLコレステロールが低かったりする状態のことを指します。これらがアテローム性動脈硬化の一因になることがわかっています。
コレステロールの基準値は以下のとおりで、1つでも当てはまれば冠状動脈疾患の危険因子になります。
・総コレステロール200mg/dl以上
・LDLコレステロール130mg/dl以上
・HDLコレステロール40mg/dl未満
・脂質低下薬の服用
○空腹時血糖
空腹時の血中のグルコース濃度が高いと、脂肪とグルコースの利用を阻害する生化学的不均衡を起こします。その結果、アテローム性動脈硬化や冠状動脈疾患の危険性が高くなります。
空腹時血糖値が高い場合、糖尿病の初期が疑われます。少なくとも日を置いた2回の検査で、100mg/dl以上の空腹時血糖が確認された人、または経口ブドウ糖負荷試験で2時間後の血糖値が140mg/dl以上であることが確認された人は冠状動脈疾患を発症する危険性が高くなります。
○肥満
肥満の評価方法としてBMIとウエストの周囲径を用います。
BMIの計算方法:体重(kg) ÷ {身長(m) × 身長(m)}
例:体重70kg÷身長1.7m×身長1.7m=24
BMIは日本では25以上が肥満で冠状動脈疾患の危険因子になります。
ウエストに周囲径はウエストの一番細い部分を測ります。
日本では、男性85cm以上、女性90cm以上が危険因子になります。
○座業を中心とした生活
座業を中心で非活動な人の冠状動脈疾患の危険性は、活動的な人よりも有意に高いことが研究で立証されています。
身体活動をすることで例えば、安静時の血圧低下、中性脂肪低下、HDLコレステロールを上げ、耐糖能やインスリン感受性を強化などの良い影響があります。
少なくとも週3日、1日30分かそれ以上の中強度の活動を行っていない人は冠状動脈疾患の危険因子になります。
NSCA-CPT9章の問題と解説
①高血圧はどれか
a.拡張期血圧80mmHg
b.収縮期血圧130mmHg
c.拡張期血圧90mmHg
d.収縮期血圧90mmHg
答え:c
高血圧は収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上
②冠状動脈疾患の危険因子に含まれないのはどれか
a.肥満
b.喫煙
c.低血圧
d.空腹時血糖値100mg/dl
答え:c
低血圧ではなく高血圧が危険因子になる
③脂質異常症の危険因子はどれか
a.総コレステロール150mg/dl
b.総コレステロール200mg/dl
c.LDLコレステロール100mg/dl
d.HDLコレステロール80mg/dl
答え:b
NSCAを取得するならDr.トレーニングスクール
パーソナルトレーニングを始める際には、まずはトレーナーとクライアントの適合性の評価が重要になります。
その次のクライアントの既往歴や冠状動脈疾患の危険因子を確認します。
クライアントに安全にトレーニングをしてもらうためにも、9章でしっかり学んでいきましょう!
「一人で学ぶのは大変」、「初めての分野だから教えてもらいたい」という方は、ぜひDr.トレーニングスクールもご検討ください。
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名前 千葉恭史
【取得資格】
・柔道整復師
・NASM-PES