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  • NSCA-CPT
  • 2022年7月21日

NSCA-CPTの教科書 4章の問題と解説

武田駿平

武田 駿平

こんにちは!
Dr.トレーニングスクール 大阪校講師の武田です!

NSCA-CPT 第4章では、「バイオメカニクス(生体力学)」について学んでいきます!
バイオメカニクスは、現場に出てからエクササイズを考える時に必要な知識の1つです!

バイオメカニクスは、初めて聞く用語が多く、現場に落とし込むにしてもトレーニングをあまり知らなかったり、スポーツへの落とし込み方が分からなかったりと「中々勉強が捗らない」という声をよく聞きます、、
たしかに難しい!僕も学生の頃は嫌いな科目の1つでした、、笑

まずは、今までのコラムのように皆んなで現場への活かし方やバイオメカニクスのイメージを明確にして、取っ付きやすくしてから一緒に学んでいきましょう!!

第3章の内容はこちらから↓
https://drtschool.jp/1895/

ここからの内容はバイオメカニクスについて記載していきますが、皆さんがNSCA-CPTの勉強を進めるにあたっての補助として捉えて下さい!
ここでの内容で全てを押さえることはできませんが、皆さんがバイオメカニクスの必要性を感じ、楽しいと感じてもらうきっかけになります!!

4章の大まかな内容とパーソナルトレーナーとして勉強するメリット


まず初めに、バイオメカニクスという言葉についてです。
「バイオメカニクス」とは「生体力学」という言葉に変えられます。
バイオ(Bio) × メカニクス(Mechanics)=生体 × 力学

つまり「生体(体)」に関わる「力」について理解しよう!という分野です。

 ・体を動かすために「筋肉の発揮する力」
 ・体中に栄養を運ぶために「心臓が血管を通して血液を送る力」
 ・ジャンプを高く跳ぶために必要な「力」

上記のように僕らは生きて行く中で様々な「力」と関わっています。
このような「身近に存在する力」を目に見えるように表しているのがバイオメカニクスという分野ですね。
では、実際に学ぶメリットをいくつか挙げてみましょう!

【バイオメカニクスを学ぶメリット】


トレーナーであれば
:エクササイズを考えの深める際の材料となる
:運動(動作)の理解が深まる
 →どの筋肉が働いて、その動作が生まれているのか
 →パフォーマンスの原因への理解が深まる
 →パフォーマンスの原因を理解することは、パフォーマンスの向上にも繋がる
などなどですね。

つまり、
 ・あのアスリートは「なぜあれだけのパフォーマンスが発揮できるのか」
 ・ここの筋肉により負荷を加えるには、どのようにエクササイズを工夫すればいいのか
 ・この関節へのストレスを減らすにはどうすればいいのか
 ・より動作効率を上げるにはどうすればいいのか
などが理解できるようになるため、トレーナーとしての実力は確実に上がります!!


バイオメカニクスを学んでいくと、
「ニュートンの運動法則」や「てこの原理」「重心や重力、床反力」「スカラーやベクトル」その他にも様々な用語があって、それらを如何に理解し現場に落とし込んでいくことが大切になっていきます。

例として、皆さんよく目にしたり/耳にする「スクワット」を例にバイオメカニクスを絡めてみましょう!!

 

スクワットを例に現場レベルで考える

スクワットとは「支持基底面内で、下肢3関節(股関節/膝関節/足関節)の屈伸動作により、重心位置が上下動する」ような種目ですね!(下記の様な種目)
※支持基底面:体重を支えるために必要な床面積のこと。

例)4つ足テーブル:4本の足で囲まれている面のことを表す。
立っている人で考えると、その人の足に囲まれた面のことを表すことになる。

では、バイメカをスクワットに落とし込むためのファーストステップとして、文章内に出てくる「重心位置」という言葉を一緒に知っていきましょう!
 ↓
重心位置とは、「物体の各質点に作用する重力の合力の作用点」のこと。
もっと簡潔にまとめると「理論的な重さの中心」のことです。
※重力:地球上の物体に9.8m/s2の加速度を下向きに(地球に向かって)かける力

例えば、下の様な箱があるとして、この箱の重心位置はどこになると思いますか?


重心位置は、重さの中心なので「箱の真ん中」が重心位置となりますね。

では、下記のように箱が3つ連なっていて、「3つで1つの物体」として捉えれば重心位置はどこになるでしょうか?

箱1つ1つには、それぞれの真ん中に重心位置が存在しますが、

今回は3つで1つの物体と定義しているので、この3つの箱の重心位置は下記の赤点のように全部の真ん中が重心位置となります。

重心位置は、人の体でも考え方は一緒です。
各部位(大腿部、下腿部、足部、上腕、前腕、手部、胴体、頸部、頭)をバラバラの物体だと仮定します。

下の画像で、それぞれの「青い点が各部位の中心」で「赤い点が重心位置」となります。

この赤い点が、支持基底面から外れない様に行う動作がスクワットとなるわけです。
 ↓
「重心位置」が「支持基底面」を超えると、人は転びます。

例)ペットボトルがある
ある程度傾けても倒れずに元に位置に戻りますが、ある一定の角度以上傾けると倒れてしまう。
あの倒れるか倒れないかの違いが「重心位置」が「支持基底面」を超えているか否か。の違いです。

スクワットと重心位置に関する問題

では、下に3つのスクワットの画像を並べます。
それぞれの赤い点が重心位置です。
左から順にA・B・Cと並べた時に、転んでしまうスクワットをしているのはどれでしょうか?


正解は、「B」になりますね!
Bは重心位置が支持基底面を外れてしまっていますね。

バイオメカニクスは動作を考えるきっかけにもなるわけです。

動作が変わるということは、各筋肉にかかる負荷も変わるということ。
つまり、効かせたい筋肉や獲得したい動作があるのであれば、重心位置を調整するというのも1つの選択肢なわけです。
 ↓
全ての物体の重さの中心が「重心位置」でしたね。

では、スクワットをする人が「重りを担いだら」重心位置はどうなると思いますか??

ぜひ、学びのきっかけとしてコラムを見て下さっている皆さんに考えて頂きたいです!
これが分かってくると、もっとバイオメカニクスが楽しくなって、現場での1つ1つのエクササイズが深くなってきます!!
それでは、バイオメカニクスの活かし方の例を話した所で、資格試験に必要な本題に入っていきましょう!!

NSCA-CPT 4章の詳細

第4章では、上記でも話した様に「バイオメカニクス」についての内容です。

本章では「力学の基礎」から学んでいきます。

「力学」とは「物理学」の1分野で、NSCA-CPTの中ではストレングス&コンディショニングプログラムで行う身体動作に関連づけて、力学の用語と概念を説明してくれています。
実際の身体動作に関連づけてくれているので、現場での考え方に活かしやすいです!

運動学と運動力学の違いから入り、「矢状面」や「前額面」「水平面」など人体の区分の仕方など、力学を理解するために必要な用語などを説明しています。
それでは、本章の内容を少しピックアップしてお話していきます。

 【運動の基本と解剖学的平面】

僕らの運動は基本的に下記の2つに分けることができます。
 ・線運動:物体が直線に沿って動く直線運動と曲線に沿って動く曲線運動がある。
 ・各運動:回転運動。支点を中心に回転する運動

僕らが生活する上でも、スポーツを行う上でも身体動作の多くは「線運動」と「角運動」を組み合わせた運動になります。
また、これらの動作が行われる解剖学的平面を「矢状面」や「前額面」、「水平面」と呼びます。
 ・矢状面→身体を左右に分割する面
 ・前額面→身体を前後に分割する面
 ・水平面→身体を上下に分割する面

 【ニュートンの運動法則】

ニュートンの運動法則は、皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか?
ここでの学びは、僕らの運動を考える時にも大切な考えとなります。
ニュートンの運動法則には下記の3つの法則が存在します。
①慣性の法則
②運動の法則
③作用・反作用の法則

①慣性の法則
 →外部から力が加えられない限り、運動している物体は等速直線運動を続け、静止している物体がそのまま静止しようとする
例)床の上で積み木を滑らせる
  結果:ある程度の所で止まってしまう
  →これは床から「摩擦」という外部の力が加わっている

②運動の法則
 →運動方程式のことを表す
  F=ma(F=力、m=質量、a=速度)
例)外部からFという力を加えると、その物体はFと同じ方向に速度aで加速される

③作用・反作用の法則
 →力の釣り合いのことを表す
例)腕相撲
自分の「押す力」と相手の「押し返す力」が釣り合っている時、その場から動かずに止まっている状態
この押す力を「作用」、押し返す力を「反作用」と呼び、力が釣り合う法則を作用・反作用の法則という。

【その他のバイオメカニクス】

上記では本章の内容から2つの用語をピックアップしましたが、バイオメカニクスはもっと様々な用語があり、もっともっと深い分野です。
ただ、この章のバイオメカニクスの基礎が理解できれば、確実に皆さんは今後トレーナーとして深みを出すことができます。

NSCA-CPT 4章の問題

①人体を左右に分割する面として正しいのは下記のどれか。
a.矢状面
b.水平面
c.前額面
d.垂直面

答え:矢状面

前額面は「身体を前後に分割する面」を表し、水平面は「身体を上下に分割する面」のことを表す

 

②物体が固定された回転軸(支点)を中心に回転する運動として正しいのはどれか。
a.直線運動
b.線運動
c.曲線運動
d.各運動

答え:各運動

直線運動:物体が直線に沿って動く運動、曲線運動:曲線に沿って動く運動
線運動を分解すると、直線運動と曲線運動に分かれる

 

③重力の説明として正しいのはどれか
a.地球上の物体に9.8m/s2の加速度を上向きにかける力
b.地球上の物体に9m/s2の加速度を下向きにかける力
c.地球上の物体に9.8m/s2の加速度を下向きにかける力

答え:c

 

NSCAを取得するならDr.トレーニング

資格を取得するための勉強はもちろん大切です。
ですが、「資格=トレーナーの実力」ではありません。

資格取得して、その内容を現場に活かすことができて初めて自分の力となります。
もしも、「現場での活かし方までしっかり学びたい」「トレーナーとして力を付けたい」という思いがあれば、一度お話だけでも聞いてみて下さい。

連絡は下記から可能です。
https://drtschool.jp/contactform

必ず皆さんの力になってみせます。

 

名前 武田 駿平

【取得資格】
・NSCA-CPT
・NESTA-PFT
・JATI-ATI

 

この記事を書いたスクールメンバー

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